症例の紹介

症例の紹介

脊髄外傷

脊髄外傷

 

 脊髄外傷は、事故や外傷によって脊髄が損傷を受けることで発生する障害で、四肢麻痺、感覚障害、自律神経障害、筋緊張の異常などが見られることがあります。急性期は医療的な治療が最優先ですが、回復期や後遺症の緩和に向けて鍼灸治療を行うことで、以下のような効果が期待されます。

1. 鍼灸治療の目的
• 麻痺や痺れの改善
• 筋緊張の調整(痙性または低緊張の改善)
• 感覚機能の回復促進
• 自律神経系の調整(排尿障害や血圧変動の改善)
• 血行促進による回復力の向上
• 痛みやこわばりの緩和

2. 主な鍼灸の適応ポイント
1) 運動障害・麻痺
• 足三里(あしさんり):筋力回復や体力増強に効果。
• 曲池(きょくち):上肢の運動機能改善に有効。
• 陽陵泉(ようりょうせん):筋緊張の調整に役立つ。
• 合谷(ごうこく):上肢全体の循環を改善。
• 湧泉(ゆうせん):全身のエネルギーを補充し、感覚回復を促進。
2) 感覚障害
• 太衝(たいしょう):気血の巡りを整え、感覚神経の回復を促進。
• 内関(ないかん):自律神経と循環系を調整する。
• 百会(ひゃくえ):脳への血流促進を目的に使用。
3) 排尿・排便障害
• 関元(かんげん):下腹部のエネルギーを補い、排尿機能を改善。
• 中極(ちゅうきょく):泌尿器系の調整をサポート。
• 三陰交(さんいんこう):泌尿生殖器系のバランスを整える。
4) 痛みや痙性(筋肉の過剰な緊張)
• 阿是穴(あぜけつ):痛みのある部位に直接アプローチ。
• 風池(ふうち):首や肩の緊張を緩める。
• 志室(ししつ):腰部や下肢の痛みや緊張の緩和に効果。

3. 治療方法
鍼治療
• 軽刺激から始め、症状の程度や体力に合わせて調整します。
• 電気鍼(低周波鍼通電療法)を取り入れると、筋肉の緊張緩和や神経伝達の促進が期待できます。
• 麻痺や痺れの部位に特化した経穴にアプローチを行います。
灸治療
• 温熱効果を利用し、血流を改善し、神経の回復を促します。
• 足三里や関元などの経穴に施灸を行うと効果的です。
経絡治療
• 全身の気血の巡りを調整し、体全体のバランスを整えます。
• 脊髄損傷部位の上下の経絡を重点的に施術します。

4. 治療頻度と期間
• 回復初期: 週2~3回の治療を実施し、神経機能の回復を促します。
• 長期ケア: 症状が安定した後は、月1~2回の治療で機能維持を目指します。
患者の体力や症状の改善具合に応じて調整します。

5. 注意点
1. 急性期の治療は避ける
脊髄外傷の急性期には鍼灸は行えません。必ず医師の許可を得てから治療を始めてください。
2. 過剰な刺激を避ける
特に重度の麻痺や感覚異常がある場合、刺激量を慎重に調整する必要があります。
3. 医療機関との連携
鍼灸治療はあくまで補助的な役割です。主治医やリハビリ専門家と連携しながら治療を進めることが重要です。
4. 新たな症状に注意
鍼灸治療中に症状の悪化や新しい異常が出た場合は、速やかに医療機関に相談してください。

6. 補助的なアドバイス
• リハビリとの併用: 鍼灸治療と並行して、理学療法士によるリハビリテーションを行うと効果的です。
• 生活習慣の改善: 食事や運動、睡眠などのバランスを整えることで、回復を促進します。
• ストレス管理: リラクゼーション法やメンタルケアを取り入れることで、回復をサポートします。

まとめ
 脊髄外傷の鍼灸治療は、後遺症の改善や症状の緩和を目的に行われます。麻痺、感覚障害、自律神経の乱れに対して効果的な経穴を選び、個々の症状に合わせて治療を行います。信頼できる鍼灸師に相談し、適切な治療計画を立てることをお勧めします。また、医療機関との連携を大切にしてください。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円