症例の紹介

症例の紹介

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

 

 過敏性腸症候群(IBS)は、腸の運動や感覚の異常に関連する疾患で、腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感などの症状が特徴です。ストレスや食事、生活習慣が影響することが多く、鍼灸治療は症状の緩和、自律神経の調整、腸の働きの改善に効果が期待できます。

鍼灸治療の目的
1. 自律神経の調整
腸の過剰な緊張や刺激を和らげ、腸の正常な働きを取り戻します。
2. 腹部症状の緩和
腹痛や膨満感、便通異常を改善します。
3. ストレスの軽減
ストレスがIBSの主な原因となる場合、心身のリラックスを促進します。
4. 全身のバランス調整
消化器系だけでなく、全身のエネルギー(気血)の流れを整えます。

鍼灸治療のアプローチ
1. 主要なツボ
IBSの治療によく使われるツボは以下の通りです。
• 腹部のツボ(腸の働きに直接影響を与える)
o 天枢(てんすう):おへその左右に位置し、腸の調整に効果的。
o 中脘(ちゅうかん):胃腸の働きを改善し、消化不良や腹部膨満感に効果的。
o 気海(きかい):おへその下にあり、エネルギーを補充し腸の調整に有効。
• 背部のツボ(内臓機能の調整)
o 大腸兪(だいちょうゆ):腸の働きを改善し、便秘や下痢の調整に役立つ。
o 腎兪(じんゆ):冷えや疲労を伴う場合に効果的。
• 四肢のツボ(全身の調整とストレス緩和)
o 足三里(あしさんり):胃腸の機能を高め、全身の調整に有効。
o 三陰交(さんいんこう):下腹部の血流を改善し、便通異常に効果的。
o 合谷(ごうこく):全身のバランスを整え、痛みやストレスを緩和。

2. 症状に応じたアプローチ
(1)下痢型IBS
• 治療目標
腸の過剰な運動を抑制し、腹痛や下痢を改善する。
• 使用するツボ
o 天枢、中脘、大腸兪
o 足三里、三陰交
• 治療法
鍼は軽い刺激で行い、腸の緊張を和らげる。温灸を併用して冷えを改善します。
(2)便秘型IBS
• 治療目標
腸の運動を活性化し、便通を改善する。
• 使用するツボ
o 天枢、気海、足三里、三陰交
• 治療法
鍼で腸の動きを促進し、温灸で腹部を温め、血流を改善します。
(3)混合型IBS
• 治療目標
腸のリズムを整え、症状の波を軽減する。
• 使用するツボ
o 天枢、中脘、足三里、太衝
• 治療法
鍼とお灸を併用して、腸の調和を図ります。
(4)ストレスが原因の場合
• 治療目標
自律神経を整え、ストレスを軽減する。
• 使用するツボ
o 合谷、神門、太衝
• 治療法
鍼はリラックス効果を重視した軽めの刺激で行い、全身の緊張を緩和します。

鍼灸治療の手法
1. 鍼治療
腹部や四肢のツボを中心に刺激を加え、腸の働きを正常化します。
2. 温灸治療
冷えが関与している場合、腹部や背部に温灸を行い、冷えを改善して腸の機能を高めます。
3. 耳鍼(耳介療法)
消化器系に対応する耳のポイントを刺激して、腸の調整を補助します。

日常生活でのセルフケア
1. ツボ押し 日常的に以下のツボを指圧することで、症状を和らげる効果があります。
o 天枢(腸の調整)
o 足三里(胃腸全般の強化)
o 合谷(全身のバランス調整)
2. 温める 腹部や腰を温めることで、腸の機能を助けます。腹巻きや湯たんぽの使用を検討してください。
3. ストレス管理 瞑想や深呼吸、軽い運動などを取り入れ、リラックスする時間を作りましょう。
4. 食事の改善
o 食物繊維を適度に取り入れる。
o 刺激物(辛いもの、カフェイン、アルコール)を控える。
o 消化に優しい食べ物を選ぶ。

鍼灸治療の頻度
• 初期治療
症状が強い場合は、週2回程度の治療を数週間続けます。
• 維持治療
症状が安定してきたら、週1回~月1回の治療を継続し、再発を防ぎます。


注意点
1. 医師との連携
IBSの診断と治療は医師の指導のもとで行う必要があります。鍼灸治療は補完療法として活用してください。
2. 自己判断を避ける
症状が長引く場合や悪化する場合は、医師や専門の鍼灸師に相談してください。

 鍼灸治療は、過敏性腸症候群の症状を和らげるための有効な補完療法となり得ます。専門家と相談しながら、最適な治療計画を立てることをお勧めします。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円