
大脳基底核変性症
大脳基底核変性症
大脳基底核変性症は、運動の制御や調整を担う大脳基底核に障害が生じ、筋硬直、震え、無動、姿勢異常、歩行障害などの症状を引き起こす神経変性疾患の一つです。具体的な疾患としては、多系統萎縮症(MSA)、進行性核上性麻痺(PSP)、ハンチントン病、パーキンソン病などが含まれます。
鍼灸治療はこれらの疾患の進行を止める根本治療にはなりませんが、症状緩和、生活の質(QOL)の向上、患者の身体的・精神的なサポートを目的とした補完療法として有用です。
鍼灸治療の目的
1. 筋緊張の緩和:筋硬直や運動制御の改善をサポート。
2. 震え(振戦)の軽減:特にパーキンソン病関連の振戦を和らげる。
3. 血流促進とエネルギー補充:基底核および全身の循環を改善。
4. ストレスと精神安定:疾患に伴う不安やうつ症状を軽減。
5. 免疫と神経系の調整:疾患進行に伴う全身の不調をサポート。
治療ポイントと方法
1. 中枢神経系の調整
• 百会(ひゃくえ):全身の調整、自律神経の安定化。
• 神庭(しんてい):精神的安定と集中力改善。
• 大椎(だいつい):全身の気血の流れを整える。
2. 筋緊張と運動症状の緩和
• 風池(ふうち):首肩の筋緊張緩和、血流改善。
• 肩井(けんせい):肩周囲の筋肉の緊張緩和。
• 陽陵泉(ようりょうせん):下肢の筋硬直や運動障害を改善。
• 委中(いちゅう):腰や下肢の血流促進。
3. 震えや運動制御の改善
• 太衝(たいしょう):肝の働きを調整し、振戦の軽減を目指す。
• 内関(ないかん):手や腕の振戦を緩和。
• 足三里(あしさんり):下肢の安定感を向上させ、筋肉の疲労を回復。
4. 精神的サポート
• 印堂(いんどう):不眠、ストレス緩和。
• 心兪(しんゆ)、脾兪(ひゆ):精神安定と全身の気血補充。
5. お灸の活用
• 気海(きかい)、関元(かんげん):体力向上、エネルギー補充。
• 命門(めいもん):腎の働きを補強し、生命力を向上。
治療頻度
• 初期治療:週2回程度を目安に、症状の緩和を目指す。
• 安定期:2~4週間ごとにメンテナンス治療を行い、症状悪化の予防と体調管理を行う。
注意点
1. 過度な刺激を避ける
筋力低下や体力が著しく低下している患者には、穏やかな刺激で施術する。強すぎる刺激は筋緊張を悪化させる可能性があります。
2. 病状の進行を考慮
鍼灸治療はあくまで症状の緩和とサポートを目的としているため、患者や家族にその旨を十分に説明し、無理のない治療計画を立てる。
3. 主治医との連携
鍼灸治療を開始する前に主治医と相談し、薬物療法やリハビリとの併用を調整します。
4. 急性期や悪化時の対応
症状が急激に悪化した場合は、西洋医学的治療を優先する必要があります。
まとめ
大脳基底核変性症に対する鍼灸治療は、筋緊張の緩和や血流促進、精神的安定を通じて患者の生活の質を向上させる補完的手段です。疾患の進行度や症状に応じて、治療内容を適切に調整することが重要です。経験豊富な鍼灸師による治療と、医療機関との連携を図りながら、患者に最適な治療プランを提供することが求められます。
治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円