症例の紹介

症例の紹介

多系統萎縮症

多系統萎縮症

 

 多系統萎縮症(MSA)は、神経系に広範な影響を与える進行性の神経変性疾患です。特に運動機能、自律神経機能、そしてバランス感覚に関わる症状が現れます。この病気に対する鍼灸治療は、症状の緩和を目的とし、患者の生活の質を向上させるために役立つことがありますが、病気そのものを治すことはできません。鍼灸は、主に運動機能や自律神経の調整、痛みの軽減、そして精神的なサポートに焦点を当てた治療法となります。

 

 多系統萎縮症に対する鍼灸治療の方法
1. 運動機能の改善
• 多系統萎縮症は運動機能に深刻な影響を与え、筋肉の硬直、震え、歩行障害などが見られます。鍼灸は、筋肉の緊張をほぐし、運動機能の改善をサポートします。
• 使用するツボ:
o 「合谷」や「足三里」など、運動機能に関係するツボを刺激して筋肉の緊張を緩和し、神経の伝達を促進します。
o 「三陰交」や「大敦」など、運動能力や関節の動きをサポートするツボも使われます。

 

2. 筋肉のこわばりや硬直の緩和
• 筋肉のこわばりや硬直感は、多系統萎縮症の特徴的な症状です。鍼灸は、筋肉の緊張を緩和し、柔軟性を取り戻すのに効果があります。
• 治療方法:
o 鍼を使って、硬直している筋肉やその周辺を刺激し、筋肉のリラックスを促進します。
o お灸治療も有効で、温熱刺激を用いて筋肉の硬直を和らげ、血行を促進する効果があります。

 

3. バランスや歩行の改善
• 多系統萎縮症の患者は、バランスを取ることが難しくなり、歩行が不安定になることがあります。鍼灸治療は、身体全体のバランスを整える効果があります。
• 使用するツボ:
o 「百会」や「天柱」など、頭部や首周りのツボを刺激して、身体全体のバランスを調整します。
o 歩行改善のためには、「太衝」や「三陰交」などの足に関連するツボも活用されます。

 

4. 自律神経の調整
• 多系統萎縮症では自律神経機能に影響が出ることがあり、血圧の異常、便秘、尿失禁、発汗異常などの症状が現れることがあります。鍼灸は自律神経のバランスを整え、これらの症状を軽減することが期待できます。
• 使用するツボ:
o 「内関」や「足三里」など、消化器系や自律神経を調整するツボを刺激して、体内の調和を図ります。
o 「太衝」や「神門」など、リラックスを促進し、自律神経の乱れを修正します。

 

5. 痛みの軽減
• 多系統萎縮症の患者は、筋肉や関節に痛みを感じることがよくあります。鍼灸治療は、痛みを緩和し、体のこわばりを和らげる効果があります。
• 使用するツボ:
o 痛みが生じている部位やその周辺に鍼を刺すことで、痛みの軽減を図ります。「曲池」や「膝蓋」など、関節に関連するツボを刺激します。

 

6. 精神的なサポート
• 多系統萎縮症に伴う進行性の症状は、患者にとって精神的なストレスや不安を引き起こすことがあります。鍼灸は、リラックス効果を促進し、精神的な安定をサポートすることができます。
• 使用するツボ:
o 「神門」や「太衝」など、心身のリラックスを促すツボを使用して、不安やストレスを軽減します。

 

7. 治療の頻度と経過
• 多系統萎縮症に対する鍼灸治療は、通常週に1回から数回の頻度で行われます。治療の効果を実感するには、数ヶ月の継続的な治療が必要となることがあります。症状の進行具合によっては、治療の内容や頻度を調整する必要があります。

 

他の治療との併用
 鍼灸は補助的な治療法であり、理学療法や作業療法、薬物療法などと併用することで、より良い効果を得ることができます。特に、リハビリテーションや運動療法と組み合わせることで、運動機能やバランスの改善が期待されます。

 

注意点
多系統萎縮症の治療は、医師と連携しながら進めることが大切です。鍼灸治療はあくまで補助的なものであり、病気の進行を止めるものではありません。医師の指導のもとで治療を受けることが重要です。
 鍼灸治療は、症状を軽減し、生活の質を向上させるために有効ですが、個別の症状に応じた治療が必要ですので、専門的な鍼灸師と相談しながら進めることが望ましいです。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円