症例の紹介

症例の紹介

胆石症

胆石症

 

 胆石症は、胆嚢や胆管に胆石が形成され、痛みや不快感、場合によっては胆管閉塞を引き起こす病気です。東洋医学では、「肝胆湿熱」「気滞」「胆腑失調」などのパターンとして理解され、鍼灸治療は痛みの緩和、胆嚢機能の改善、胆石形成の予防、全身の調和を目指します。


1. 主な治療の目標
• 胆石症による痛み(胆石疝痛)の緩和。
• 胆嚢と胆管の機能を改善し、胆汁の流れをスムーズにする。
• 体内の「湿熱」を取り除き、胆石の形成を予防。
• 気血の流れを整え、全身の健康をサポート。

2. 主な経穴(ツボ)
胆嚢と胆管の機能を改善するツボ
• 胆兪(たんゆ):胆嚢の機能を直接調整し、胆汁の流れを促進。
• 日月(じつげつ):胆経の重要なツボで、胆嚢の負担を軽減。
• 期門(きもん):肝臓と胆嚢の連携を強化。
痛みを緩和するツボ
• 陽陵泉(ようりょうせん):胆石疝痛の緩和に有効で、胆経を整える。
• 太衝(たいしょう):肝の気を巡らせ、胆嚢の張りや痛みを軽減。
• 合谷(ごうこく):全身の痛みや緊張を和らげる。
湿熱を取り除くツボ
• 陰陵泉(いんりょうせん):体内の湿気や余分な熱を取り除き、胆石の原因を軽減。
• 曲池(きょくち):炎症や体内の熱を冷ます。
• 中脘(ちゅうかん):消化器の調整を行い、胆嚢への負担を軽減。
気血の流れを改善するツボ
• 血海(けっかい):血流を促進し、炎症の回復を助ける。
• 足三里(あしさんり):全身の気血を整え、消化吸収を助ける。

3. 鍼治療の方法
• 穏やかな刺激:胆石症の症状が強い場合は、軽い刺激で痛みの緩和を目指します。
• 補瀉(ほしゃ):
o 補法:胆嚢機能を強化し、胆汁の流れを促す。
o 瀉法:湿熱や気滞を取り除き、炎症や痛みを緩和。

4. 灸治療
• 温灸:
o 胆兪、陽陵泉、中脘などに温灸を行い、胆嚢の冷えや緊張を和らげます。
o 温めることで、胆汁の流れをスムーズにし、胆嚢の健康を促進します。
• 隔物灸: 生姜や塩を使った灸で、胆嚢や消化器のエネルギーを高めます。

5. 補助的な療法
• 腹式呼吸:リラクゼーション効果を高め、胆管の緊張を緩和。
• 軽い運動:ウォーキングやストレッチで胆汁の流れを促進。
• ホットパック:痛みのある部分に温熱療法を行うことで緩和。

6. 日常生活のアドバイス
• 食事の注意:
o 脂肪分が多い食事を控える(特に動物性脂肪)。
o 野菜や果物、食物繊維を多く摂取。
o 胆汁の流れを良くする食品(レモン、オリーブオイル)を取り入れる。
o 水分を十分に摂取して胆汁の粘度を低下させる。
• アルコールと喫煙の制限: 肝臓と胆嚢に負担をかけるため、できるだけ控える。
• ストレス管理: 過剰なストレスは胆嚢の収縮を引き起こしやすいため、リラックスできる環境を整える。
• 適度な運動: 体重管理と血流促進のため、定期的な軽い運動を心がける。

7. 注意事項
• 急性胆嚢炎や胆管閉塞などの重篤な症状がある場合は、直ちに医療機関での治療が必要です。鍼灸は補助療法として、特に慢性的な胆嚢の不調や予防的ケアに役立ちます。
• 症状が続く場合や重症化の兆候がある場合は、専門医の診察を受けることが重要です。
具体的な症状や状態に応じた治療をご希望の場合は、詳細をお伝えいただければ、さらに適切なアドバイスを提供できます!

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円