慢性鼻炎

　慢性鼻炎は、長期にわたって鼻の粘膜に炎症が起こる状態で、鼻づまり、鼻水、くしゃみ、嗅覚の低下などの症状を特徴とします。鍼灸治療は、鼻粘膜の炎症を和らげ、免疫機能や自律神経のバランスを整えることで症状を軽減し、鼻の健康を促進します。

1. 治療の目的
• 鼻の血行改善: 鼻粘膜の腫れを軽減し、鼻通りを良くする。
• 炎症の緩和: 免疫反応を抑制し、鼻粘膜の健康を促進。
• 体質改善: 冷えや湿気による体調不良を調整し、再発を予防。
• ストレス軽減: 自律神経を整え、症状の悪化を防ぐ。

2. 主なツボの選択
a. 鼻の症状に直接作用するツボ
• 迎香（げいこう）: 鼻の両側、鼻通りを良くし、鼻づまりを軽減。
• 印堂（いんどう）: 眉間、鼻の血行を促進し、鼻づまりや頭痛を和らげる。
• 鼻通（びつう）: 鼻翼の付近、鼻の機能を改善。
b. 全身の免疫と血行を整えるツボ
• 合谷（ごうこく）: 手の甲、全身の気血を調整し、鼻炎に伴う症状を軽減。
• 足三里（あしさんり）: 膝下、免疫力を高め、体質改善を促進。
• 曲池（きょくち）: 肘、炎症を抑える効果があり、慢性鼻炎に有効。
c. 冷えや湿気の改善に関連するツボ
• 陰陵泉（いんりょうせん）: 脛の内側、体内の余分な水分（湿邪）を排出し、鼻のむくみを軽減。
• 風池（ふうち）: 首の後ろ、血行を改善し、頭部や鼻の症状を和らげる。
• 大椎（だいつい）: 首の付け根、免疫力を高め、鼻粘膜の炎症を抑える。
d. ストレスや自律神経の調整
• 神門（しんもん）: 手首、リラクゼーション効果を高め、自律神経のバランスを整える。
• 百会（ひゃくえ）: 頭頂部、鼻炎に伴う頭痛やめまいを軽減。

3. 治療の流れ
1. 問診と評価
o 鼻炎の症状、発症期間、誘因（アレルギー、環境因子など）を確認。
o 鼻づまりや鼻水の程度、体質（冷え性、疲れやすさなど）を評価。
2. 鍼治療
o 迎香、印堂、合谷、足三里などを基本に施術。
o 鼻づまりがひどい場合は、鼻通や風池などのツボを追加。
o 鍼の刺激は症状や体調に合わせて調整。
3. 灸治療（必要に応じて）
o 足三里、陰陵泉、大椎などにお灸を行い、冷えや湿気を改善。
o 慢性的な体調不良や免疫低下がある場合、温灸を使用。
4. リラクゼーションとセルフケア指導
o 自律神経を整えるための呼吸法やリラクゼーション法を指導。
o 鼻の通りを良くするための蒸気吸入や温かいタオルを利用したケアを提案。
5. 定期的な治療
o 慢性鼻炎は長期間にわたることが多いため、定期的な鍼灸治療を行うことで症状の緩和と再発予防を目指す。

4. 注意点
• 鼻炎の原因がアレルギーや感染症の場合、鍼灸治療は補助療法として用い、必要に応じて医師の診断と治療を受けてください。
• 治療効果には個人差があり、継続的な治療が必要な場合があります。
• 鼻炎の原因が環境要因（埃、花粉など）の場合、環境改善も治療効果を高めるために重要です

5. 期待できる効果

• 鼻づまりや鼻水、くしゃみの軽減
• 鼻の血行改善による粘膜の健康促進
• 冷えや湿気の改善による体質強化
• 自律神経のバランス調整による症状の安定化
• 再発予防と慢性化の防止

　慢性鼻炎の鍼灸治療は、症状の軽減だけでなく、体質改善を通じて根本的な原因に働きかけることを目指します。継続的な治療と生活習慣の見直しにより、日常生活の質を向上させる効果が期待されます。

治療時間：一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料：　３，０００円
料金：　一回鍼灸治療4,500円から9,000円