
嗅覚障害
嗅覚障害
嗅覚障害は、においを感じる能力が低下または失われる状態で、風邪や副鼻腔炎、アレルギー、神経損傷、またはストレスなどさまざまな要因によって引き起こされます。鍼灸治療は、嗅覚の回復を促進し、原因にアプローチする補助療法として有用です。
1. 治療の目的
• 嗅覚の改善: 鼻粘膜や嗅覚神経の血流を促進し、機能回復を図る。
• 炎症の緩和: 副鼻腔や鼻粘膜の炎症を軽減する。
• 体質改善: 全身の気血の巡りを整え、嗅覚障害の根本原因に働きかける。
• ストレス緩和: 自律神経を整え、嗅覚回復をサポートする。
2. 主なツボの選択
a. 鼻や嗅覚に直接関係するツボ
• 迎香(げいこう): 鼻の両側、鼻粘膜の血行を改善し、嗅覚回復をサポート。
• 印堂(いんどう): 眉間、鼻づまりや頭部の血流を促進。
• 鼻通(びつう): 鼻翼付近、鼻の症状に直接作用。
b. 嗅覚神経や脳の血流を促進するツボ
• 百会(ひゃくえ): 頭頂部、脳血流を促進し、神経機能を調整。
• 風池(ふうち): 首の後ろ、嗅覚神経や脳の循環を改善。
• 天柱(てんちゅう): 首の付け根、神経のバランスを整える。
c. 全身の免疫と代謝を整えるツボ
• 合谷(ごうこく): 手の甲、全身の気血を整え、炎症を抑制。
• 足三里(あしさんり): 膝下、免疫力を高め、体質改善に寄与。
• 曲池(きょくち): 肘、炎症やアレルギー反応の軽減。
d. ストレスや自律神経の調整に関連するツボ
• 神門(しんもん): 手首、リラクゼーションを促進。
• 内関(ないかん): 前腕、ストレス軽減や気血の巡りをサポート。
3. 治療の流れ
1. 問診と評価
o 嗅覚障害の原因(風邪、副鼻腔炎、外傷、ストレスなど)を特定。
o 嗅覚障害の期間や症状の程度、その他の身体的症状を評価。
2. 鍼治療
o 迎香、印堂、鼻通などの局所ツボに鍼を施し、鼻や嗅覚神経の血流を促進。
o 全身の調整として合谷、足三里、曲池を組み合わせ、全体的な気血の流れを改善。
3. 灸治療
o 大椎、足三里などにお灸を施し、冷えや免疫機能の低下を改善。
o 必要に応じて温灸を利用し、リラクゼーションを促進。
4. 電気鍼(必要に応じて)
o 鼻周囲のツボ(迎香、鼻通)に微弱電流を流し、嗅覚神経を刺激する。
5. リラクゼーションとセルフケア指導
o 深呼吸や鼻のマッサージを指導し、鼻の血行促進を補助。
o ストレスを軽減する生活習慣(リラクゼーション法、十分な睡眠)をアドバイス。
6. 定期的な治療
o 嗅覚障害の原因が慢性的な場合、数週間~数か月の継続的な治療を提案。
4. 注意点
• 原因が脳損傷や重篤な神経疾患の場合は、医師の診断や治療を優先してください。
• 副鼻腔炎などの炎症が強い場合は、抗炎症薬や抗生物質などの医学的治療と併用することが推奨されます。
• 嗅覚障害が長期間続く場合や進行性の場合、早期に専門医の診察を受けることが重要です。
5. 期待できる効果
• 鼻粘膜や嗅覚神経の血流促進による嗅覚の回復
• 鼻や副鼻腔の炎症軽減
• ストレス軽減と自律神経のバランス改善
• 全身の免疫力向上と体質改善
• 嗅覚機能の再発予防
鍼灸治療は、嗅覚障害に対する安全で効果的な補助療法です。特に、慢性的な炎症やストレスが原因の場合には良い効果が期待されます。定期的な施術と日常生活の改善を組み合わせることで、嗅覚機能の回復と健康増進が目指せます。
治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金: 一回鍼灸治療4,500円から9,000円