
肺気腫
肺気腫
肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一つで、肺胞が損傷し、酸素と二酸化炭素の交換効率が低下する状態です。鍼灸治療では、呼吸機能の改善、自律神経の調整、全身のエネルギー(気血)の強化を目指します。また、患者の生活の質(QOL)の向上も重要な目標となります。
1. 治療の目的
• 呼吸を楽にする(肺の働きを助ける)
• 痰の排出を促進する
• 息切れや疲労感を軽減する
• ストレスを緩和し、自律神経を整える
• 全身の免疫力を向上させる
2. 主なツボの選択
a. 呼吸機能を改善するツボ
• 中府(ちゅうふ): 鎖骨下の胸部、肺の気を調整する。
• 肺兪(はいゆ): 背中、肩甲骨の内側、肺の働きを強化。
• 尺沢(しゃくたく): 肘の内側、呼吸の調整に効果的。
b. 痰を排出しやすくするツボ
• 豊隆(ほうりゅう): すねの外側、痰を散らし気道を清浄化する。
• 天突(てんとつ): 胸骨の上端、喉の不快感や痰に効果的。
c. 息切れやエネルギー不足に対するツボ
• 足三里(あしさんり): 膝の下、全身のエネルギーを高める。
• 気海(きかい): 下腹部、気力を補充し疲労を軽減。
• 関元(かんげん): 下腹部、体力や免疫力の回復を助ける。
d. 自律神経を調整するツボ
• 百会(ひゃくえ): 頭頂部、自律神経を整える。
• 神門(しんもん): 手首、リラックス効果を高める。
e. 慢性的な炎症や免疫力向上に効果的なツボ
• 大椎(だいつい): 首の付け根、免疫機能を活性化。
• 合谷(ごうこく): 手の甲、全身の調整に効果的。
3. 治療の流れ
1. 問診と評価
患者の呼吸状態(息切れ、痰の色や量、疲労感など)や全身の健康状態を確認します。
2. 鍼治療
選んだツボに対して鍼を用い、適度な刺激を与えます。慢性的な疾患の場合は穏やかな刺激を心掛けます。
3. 灸治療(必要に応じて)
肺機能を改善するツボやエネルギー不足を補うツボにお灸を施します。特に気海や関元などは温めることで効果が高まります。
4. 吸入や呼吸法の指導
腹式呼吸や口すぼめ呼吸など、呼吸を楽にする方法を指導します。
5. 生活指導
禁煙、乾燥防止、適度な運動(呼吸筋トレーニング)など、患者の生活習慣を改善するアドバイスを行います。
4. 注意点
• 肺気腫は慢性疾患のため、定期的な鍼灸治療が必要です。
• 症状が悪化している場合(急性呼吸困難や感染症など)は、医療機関での治療を優先します。
• 西洋医学(吸入ステロイド、気管支拡張薬など)との併用を推奨します。
• 鍼灸は補助的な役割を果たすため、総合的な治療計画の一環として行います。
5. 期待できる効果
• 呼吸が楽になる
• 咳や痰の軽減
• 疲労感の緩和
• ストレスの低下
• 日常生活の活動範囲の拡大
肺気腫は完全に治癒することが難しい疾患ですが、鍼灸治療を取り入れることで症状を和らげ、生活の質を向上させることが可能です。専門の鍼灸師に相談し、患者の個別の状態に合わせた治療を受けることをお勧めします。
治療時間: 一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金: 一回鍼灸治療4,500円から9,000円