
心津失常
心津失常
心津失常の鍼灸治療方法
心津失常(しんしんしつじょう) は、東洋医学において「心(しん)」に関わる 津液(しんえき)(体内の水分)の異常を指します。心は血脈を主り、津液の代謝と深い関係があります。心津失常が起こると、動悸、不整脈、息切れ、口渇、不眠、ほてり、冷え、むくみなどの症状が現れることがあります。
鍼灸治療では、「心の機能を調整し、津液の代謝を正常に戻す」 ことを目的に行います。
1. 心津失常の東洋医学的分類と治療方針
① 心陰虚(しんいんきょ):心の陰液が不足
症状:
• 動悸、不眠、口渇、ほてり、寝汗
• 口や舌が乾燥しやすい
• 心悸亢進(動悸や不安)
治療方針:
→ 心の陰を補い、津液を増やす治療を行う
② 心陽虚(しんようきょ):心の陽気が不足
症状:
• 冷え性、息切れ、むくみ、倦怠感
• 手足が冷たくなりやすい
• 低血圧、徐脈
治療方針:
→ 心の陽気を補い、血流を改善する
③ 水飲停滞(すいいんていたい):津液の巡りが滞る
症状:
• むくみ、動悸、めまい、息苦しさ
• 体が重く、痰が多い
• 心不全や高血圧に関連することも
治療方針:
→ 津液の巡りを良くし、余分な水分を排出する
2. 鍼灸治療で使うツボ(経穴)
① 心の機能を調整するツボ
• 神門(しんもん)(手首の小指側)
→ 心を落ち着かせ、動悸・不眠を改善
• 内関(ないかん)(手首の内側、腕の中央)
→ 心の気血を調整し、ストレスを緩和
• 巨闕(こけつ)(みぞおちの上)
→ 心の気血を調整し、消化機能を改善
• 膻中(だんちゅう)(胸の中央)
→ 自律神経を整え、心の働きを助ける
② 陰を補い、津液を増やすツボ(心陰虚)
• 太谿(たいけい)(内くるぶしの後ろ)
→ 腎陰を補い、津液のバランスを整える
• 照海(しょうかい)(内くるぶしの下)
→ 陰液を補い、寝汗やほてりを改善
③ 陽を補い、血流を良くするツボ(心陽虚)
• 関元(かんげん)(おへそから指4本分下)
→ 気血を補い、心陽を助ける
• 命門(めいもん)(腰の中央)
→ 腎陽を補い、冷えを改善
④ 津液の巡りを改善するツボ(水飲停滞)
• 豊隆(ほうりゅう)(すねの外側)
→ 痰湿(たんしつ)を取り除き、むくみを解消
• 陰陵泉(いんりょうせん)(膝の内側)
→ 水分代謝を促進し、むくみを改善
3. 鍼灸治療の方法
① 鍼治療
• ツボに 軽い刺激の鍼 を行い、自律神経を整える。
• 「神門」「内関」 など心の機能を調整するツボを使い、リラックス効果を高める。
• 陰虚・陽虚の状態に応じて、補法(気血を補う)や瀉法(余分なものを取り除く)を選択。
② 灸治療
• 冷えが強い場合はお灸を併用(「関元」「命門」に温灸)
• 津液を補う場合は、太谿や照海に温灸
4. 生活習慣のアドバイス
① 心の健康を保つ習慣
✅ ストレス管理(深呼吸・瞑想・リラックス時間を取る)
✅ 睡眠をしっかり取る(7~8時間、特に23時までに就寝が理想)
✅ 適度な運動(軽いウォーキングやヨガで心を整える)
② 陰虚の人向け
✅ 水分補給をしっかり(白湯やハーブティーを飲む)
✅ 潤いのある食べ物を摂る(ナツメ、梨、黒ごま、クコの実)
✅ 辛いものや揚げ物を控える(体の熱を増やさないように)
③ 陽虚の人向け
✅ 体を冷やさない(温かい食べ物・飲み物を意識)
✅ 生姜やにんにくを適度に摂る(血流を良くする)
✅ お風呂にゆっくり浸かる(冷えの改善)
④ 水飲停滞の人向け
✅ 塩分を控えめにする(むくみを防ぐ)
✅ 利尿作用のある食材を摂る(小豆、冬瓜、はとむぎ茶)
✅ 適度な運動で水分代謝を促す(ストレッチ・軽い筋トレ)
5. 注意点
• 心津失常の症状が重い場合(頻繁な動悸、息切れ、むくみがひどいなど)は、医師の診察を受けることが優先。
• 鍼灸は補助的な治療であり、継続的に行うことで効果が期待できる(週1~2回の施術がおすすめ)。
• 急に症状が悪化した場合は、すぐに医療機関を受診。
まとめ
心津失常の鍼灸治療は、**「心の機能を調整し、津液の代謝を正常に戻す」**ことを目的とし、神門・内関・膻中・太谿・関元 などのツボを用います。生活習慣の改善と併せて、定期的な施術を続けることで、心と体のバランスを整えることができます。
心津失常の症状でお悩みの方は、経験豊富な鍼灸師に相談し、ご自身に合った治療を受けることをおすすめします。
治療時間: 一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金: 一回鍼灸治療4,500円から9,000円