
ハント症候群
ハント症候群
ハント症候群(Ramsay Hunt syndrome)に対する鍼灸治療
ハント症候群は、顔面神経麻痺と耳周囲の症状(耳の痛み、難聴、耳鳴りなど)が同時に現れる疾患です。主に、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)による再活性化が原因となり、顔面神経(第7脳神経)の炎症を引き起こします。症状としては、顔面麻痺、耳の痛みや発疹、聴力障害、めまい、味覚異常などが現れることがあります。
鍼灸治療は、神経回復、炎症の軽減、血行改善、痛みの緩和を目指して行います。
鍼灸治療の目的
1. 顔面神経の回復と炎症の軽減
2. 顔面筋肉のリラクゼーションと機能回復
3. 耳周囲の痛みの緩和と聴力の改善
4. 自律神経の調整とストレス軽減
5. 神経の再生促進と血行改善
主要な鍼灸治療のアプローチ
1. 経穴(ツボ)の選択
🔹 顔面神経回復と筋肉のリラクゼーション
• 迎香(げいこう)(大腸経):顔面神経の回復を促進し、顔面の筋肉をリラックスさせる
• 地倉(ちそう)(胃経):顔面の筋肉をリラックスさせ、麻痺を軽減
• 頬車(きょうしゃ)(胃経):顔の表情筋を回復し、顔面神経麻痺を改善
• 太陽(たいよう)(膀胱経):顔面の筋肉のリラクゼーションを促進し、顔面の表情を整える
• 四白(しはく)(胃経):目の周りの筋肉を緩め、顔面麻痺を改善する
🔹 耳周囲の痛みと聴力の改善
• 聴会(ちょうかい)(胆経):耳の痛みや耳鳴りを軽減し、聴力を回復させる
• 耳門(じもん)(胆経):耳周囲の筋肉を緩め、耳の痛みを緩和する
• 陽白(ようはく)(胆経):耳周囲の血行を改善し、聴力回復を促進する
• 翳風(えいふう)(胆経):耳の痛みや不快感を軽減し、聴覚の改善を助ける
🔹 神経回復と炎症軽減
• 百会(ひゃくえ)(督脈):全身の神経の活性化を促進し、顔面神経の回復を助ける
• 風池(ふうち)(胆経):顔面神経の働きを活性化し、炎症を軽減する
• 合谷(ごうこく)(大腸経):神経の働きを整え、痛みや炎症を軽減する
• 印堂(いんどう)(督脈):顔面神経の回復をサポートし、痛みや不快感を緩和する
🔹 自律神経の調整とストレス軽減
• 神門(しんもん)(心経):ストレス軽減とリラックス効果を高め、顔面神経の回復を促進
• 内関(ないかん)(心包経):神経の緊張をほぐし、痛みや不安を軽減
• 労宮(ろうきゅう)(心経):リラックス効果を高め、顔面麻痺の回復をサポート
2. 鍼の施術方法
• 置鍼(ちしん): 鍼を顔面や耳周囲のツボに刺して、神経機能の回復を促進します。顔面麻痺の改善や耳周囲の痛みを軽減します。
• 電気鍼(でんきしん): 低周波電気鍼を使用して、顔面神経の回復を加速し、筋肉のリラクゼーションを促します。特に、顔面筋肉の動きが鈍い場合に効果的です。
• 浅鍼(せんしん): 鍼を浅く刺して、顔面の筋肉や神経をリラックスさせる効果があります。麻痺や痛みを軽減するために使われます。
• 頭皮鍼(とうひしん): 頭部のツボに鍼を刺して、顔面神経の伝導を改善し、神経の回復を促進します。
3. 灸治療
• 温灸(おんきゅう): 顔面や耳周囲に温灸を行い、血行を改善し、神経の回復を促進します。耳の痛みや顔面神経の回復に有効です。
• 知熱灸(ちねつきゅう): 軽い熱刺激で顔や耳周囲を温め、炎症を軽減し、血流を改善します。
4. 生活習慣とセルフケア
• 耳の温め: 耳周囲の痛みがある場合は、温湿布などで耳を温めると血行が良くなり、痛みが軽減します。
• 顔の運動: 目を閉じる、口を動かすなどの顔面筋肉を動かす運動を行い、筋肉をリハビリすることが大切です。
• ストレス管理: ストレスが症状を悪化させることがあるため、リラックスできる時間を持ち、ストレスを軽減しましょう。
• 十分な休養: 神経の回復には、十分な休養と睡眠が必要です。過度の疲労を避け、体を休ませることが重要です。
まとめ
ハント症候群に対する鍼灸治療は、顔面神経の回復、筋肉のリラクゼーション、耳周囲の痛みの緩和を目的として行われます。特に、顔面神経を回復させるためのツボや耳の痛みを和らげるツボを重点的に刺激します。神経の活性化や血行改善が効果的で、早期の治療が症状の改善を早めるため、早期の鍼灸治療を受けることが推奨されます。生活習慣やセルフケアと併せて治療を行うことで、回復をサポートすることができます。
治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円