橈骨神経マヒ

　橈骨神経麻痺に対する鍼灸治療
　橈骨神経麻痺は、橈骨神経（とうこつしんけい）が圧迫、損傷、または炎症を受けることにより、手や腕の動きに支障が生じる症状です。主に、手首や指を伸ばす力が弱くなる（下垂手）ことや、手指の感覚低下、手首や肘の運動制限が見られます。

　橈骨神経麻痺の原因には、圧迫、外傷、骨折、長時間の腕の圧迫や寝ている姿勢などが挙げられます。

　鍼灸治療の目的
1. 橈骨神経の回復を促進
2. 手指・手首の機能回復
3. 血流を改善し、神経の栄養供給を促進
4. 筋力の回復と筋肉の緊張緩和
5. 痛みや不快感の軽減

主要な鍼灸治療のアプローチ
1. 経穴（ツボ）の選択
🔹 橈骨神経の回復促進
• 曲池（きょくち）（大腸経）：上肢の神経や筋肉の回復を促進
• 肘髎（ちゅうりょう）（小腸経）：肘や腕の動きの改善、神経の活性化
• 陽池（ようち）（三焦経）：腕や手の機能回復を促す
🔹 手首・指の機能回復
• 手三里（てさんり）（大腸経）：手首や指の機能回復、筋肉を刺激
• 合谷（ごうこく）（大腸経）：手全体の血流を改善し、筋力回復をサポート
• 陰陵泉（いんりょうせん）（脾経）：手や腕の筋力を高める
🔹 神経の栄養供給促進
• 百会（ひゃくえ）（督脈）：脳と神経系の活性化、全身の血流改善
• 肩井（けんせい）（胆経）：肩や腕の筋肉の緊張を解き、神経回復を促進
• 神門（しんもん）（心経）：痛みの緩和、リラックス効果
🔹 筋力回復・筋肉の緊張緩和
• 太衝（たいしょう）（肝経）：筋肉の緊張を緩和し、機能回復を促進
• 三陰交（さんいんこう）（脾経）：筋肉のエネルギーを高める
• 後谿（こうけい）（小腸経）：腕の筋肉を緩め、血流を促進

2. 鍼の施術方法
• 置鍼（ちしん）： ツボに鍼を刺して、10～20分置くことで血流と神経の活性化を促進
• 電気鍼（でんきしん）： 低周波刺激で神経の活性化と筋肉の回復をサポート
• 浅鍼（せんしん）： 鍼を浅く刺し、皮膚や浅部の神経を刺激してリラックス効果を高める

3. 灸治療
• 温灸（おんきゅう）： 手首や肘周りを温めて血流を改善し、神経の栄養供給を促進
• 知熱灸（ちねつきゅう）： 神経を刺激し、神経修復をサポート

4. 生活習慣とセルフケア
• ストレッチや筋力トレーニング： 特に手首や前腕のストレッチを行い、筋肉を柔軟に保つ
• 休息と姿勢改善： 手首や腕に負担をかけないように、適切な姿勢で寝る・休む
• 温湿布やアイスパック： 手首や腕の痛みを軽減するために、温湿布やアイスパックを使う
• バランスの良い食事： ビタミンB群（神経の健康に重要）やカルシウム・マグネシウムを摂取する

まとめ
　橈骨神経麻痺に対する鍼灸治療は、神経の回復、血流改善、筋力回復を目指し、痛みを軽減することに焦点を当てます。手指や腕の機能を回復させるために、神経や筋肉を刺激するツボを使うことが効果的です。定期的な鍼灸治療と、生活習慣の見直しやセルフケアを併用することで、回復が促進されます。

治療時間：一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料：　３，０００円
料金：一回鍼灸治療4,500円から9,000円