症例の紹介

症例の紹介

馬尾神経障害

馬尾神経障害

 

 馬尾神経障害(馬尾症候群)は、腰部にある馬尾神経が圧迫されることで生じる症状で、排尿・排便障害、下肢の麻痺やしびれ、痛み、感覚鈍麻などが特徴です。主な原因は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、外傷、腫瘍などです。
 鍼灸治療は、症状の緩和、血流促進、神経機能の回復を目指し、筋肉の緊張を和らげて馬尾神経への負担を軽減します。

鍼灸治療の目的
1. 血流の改善
馬尾神経やその周辺の血流を促進し、神経の再生をサポートします。
2. 筋肉の緊張緩和
下肢や腰部の過剰な筋緊張を取り除き、神経圧迫を軽減します。
3. 神経機能の調整
神経伝達を改善し、麻痺やしびれの軽減を図ります。
4. 痛みの緩和
鍼灸の鎮痛効果を活用して、腰や下肢の痛みを軽減します。

鍼灸治療のアプローチ
1. 主要なツボ
馬尾神経障害の症状に応じて、以下のツボを使用します:
• 腰部のツボ
o 腎兪(じんゆ):腰部の血流を促し、腎機能をサポート。
o 膀胱兪(ぼうこうゆ):膀胱の調整に有効。
o 大腸兪(だいちょうゆ):腰部、排便機能をサポート。
o 命門(めいもん):腰部中央、気血を補い腰痛や神経痛を和らげる。
• 臀部のツボ
o 次髎(じりょう):仙骨部、骨盤内臓器の調整に効果的。
o 承扶(しょうふ):臀部中央、坐骨神経痛や下肢の痛みを緩和。
• 下肢のツボ
o 委中(いちゅう):膝裏、腰痛や下肢のしびれに効果的。
o 殷門(いんもん):太もも後側、坐骨神経に関連する痛みを緩和。
o 足三里(あしさんり):膝下、神経や筋肉の働きを整える。
o 三陰交(さんいんこう):足首内側、骨盤内臓器や下肢の血流改善。
• 全身の調整ツボ
o 百会(ひゃくえ):頭頂部、自律神経を整える。
o 太渓(たいけい):足首内側、腎経を活性化し腰部機能を高める。

2. 治療手法
• 鍼治療
腰部、臀部、下肢のツボに適切な刺激を加えます。深い鍼を使って神経周囲の血流を改善する場合もあります。
• 温灸
腰部や下肢の冷えや血行不良を改善するために、腎兪、膀胱兪、命門などに温灸を施します。
• 電気鍼
神経機能が低下している部分に電気刺激を与え、神経の再生や筋肉の収縮を促進します。
• 吸い玉(カッピング)
腰部や背部の筋緊張を緩め、血流を改善します。
• 耳鍼(耳介療法)
馬尾神経や下肢の症状に関連する耳のツボを刺激します(脊柱点、腰点、交感神経点など)。

治療頻度
• 急性期
症状が強い場合は、週2~3回の頻度で2~4週間継続します。
• 回復期
症状が軽減してきたら、週1回の治療を1~2か月続け、状態を安定させます。

日常生活でのセルフケア
1. 姿勢の改善
長時間の座位を避け、正しい姿勢を保つことで馬尾神経への負担を軽減します。
2. ストレッチ
腰部や下肢のストレッチを行い、筋肉の緊張を緩和します。
3. 温める
腰部や臀部を温めることで、血流を促進し痛みを軽減します。
4. 適度な運動
ウォーキングや軽い体操で腰や下肢の筋力を保つことが大切です。
5. 体重管理
過剰な体重は腰部への負担を増やすため、適正な体重を維持します。

注意点
1. 緊急症状の確認
馬尾神経障害による急激な排尿・排便障害や下肢麻痺がある場合は、早急に医師の診察を受けてください。
※重症例では外科的治療(手術)が必要な場合もあります。
2. 併用治療の検討
鍼灸治療は症状の緩和に効果的ですが、根本原因へのアプローチとして整形外科や神経内科での診断・治療を並行して行うことが重要です。
3. 専門家の相談
馬尾神経障害は個々の症状や原因に応じたアプローチが必要です。経験豊富な鍼灸師に相談して、適切な治療計画を立ててください。


まとめ
 鍼灸治療は、馬尾神経障害の痛み、しびれ、排尿・排便障害の緩和をサポートしますが、原因疾患の診断と治療を並行して行うことが重要です。早期の対応と適切な治療計画で症状の改善を目指しましょう。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円