症例の紹介

症例の紹介

排尿障害

排尿障害

 

 排尿障害には、尿が出にくい、頻尿、尿漏れ、夜間頻尿などの多様な症状が含まれます。これらの症状は、膀胱や尿道の筋肉の問題、自律神経の異常、前立腺肥大、神経疾患(脊髄損傷や糖尿病性神経障害)など、多くの要因により発生します。
鍼灸治療では、排尿を調節する神経や筋肉の機能を整え、膀胱や尿道の調和を目指します。また、自律神経系の調整を行うことで、症状の改善をサポートします。

鍼灸治療の目的
1. 自律神経の調整
交感神経と副交感神経のバランスを整え、膀胱の収縮と弛緩を正常化します。
2. 筋肉機能の改善
膀胱括約筋や骨盤底筋の調整を行い、排尿機能をサポートします。
3. 血流促進
骨盤周辺の血流を改善し、神経や筋肉の働きを活性化します。
4. 全身の調和
気血の流れを整え、ストレスや緊張を和らげることで、全身のバランスを保ちます。

鍼灸治療のアプローチ
1. 主要なツボ
排尿障害の種類や症状に応じて、以下のツボを選びます:
• 腹部・腰部のツボ
o 中極(ちゅうきょく):下腹部、膀胱の調整に効果的。
o 関元(かんげん):下腹部、腎・膀胱のエネルギーを高める。
o 気海(きかい):下腹部、気の流れを整え、下腹部の血流を改善。
o 腎兪(じんゆ):腰部、腎機能を高め、泌尿器系をサポート。
o 膀胱兪(ぼうこうゆ):腰部、膀胱機能を整える。
• 下肢のツボ
o 三陰交(さんいんこう):足首内側、骨盤周囲の血流改善、ホルモンバランスの調整。
o 足三里(あしさんり):膝下、消化器系や腎機能をサポート。
o 太渓(たいけい):足首内側、腎を元気にし、下半身の血流を促進。
o 委陽(いよう):膝裏、膀胱経の調整に有効。
• 耳のツボ(耳鍼)
o 膀胱点、腎点、交感神経点:耳介上で膀胱・腎・自律神経を調整。


2. 治療手法
• 鍼治療
軽い刺激を与えることで、自律神経のバランスを整えます。ツボによって深さや角度を調整し、個別の症状に対応します。
• 温灸
中極、関元、腎兪などに温灸を行い、冷えによる排尿障害や血行不良を改善します。
• 電気鍼
膀胱や骨盤底筋の神経を刺激し、筋肉の収縮を改善します。特に神経性の排尿障害に効果的です。
• 吸い玉(カッピング)
腎兪や膀胱兪付近に行うことで、血流を促進します。
• 耳鍼(耳介療法)
排尿機能を調整する耳のツボを刺激します。

治療頻度
• 初期治療
症状が強い場合は、週1~2回の治療を4~6週間行います。
• 維持治療
症状が軽減した後は、月1~2回程度で継続的に体調を整えます。

日常生活でのセルフケア
1. 骨盤底筋のトレーニング(ケーゲル体操)
骨盤底筋を鍛えることで、排尿をコントロールしやすくなります。
2. 温める習慣
下腹部や腰部を冷やさないようにし、血行を良くするために腹巻や入浴を取り入れます。
3. 水分摂取の調整
過剰な水分摂取を避け、夜間頻尿を防ぐために寝る前の水分摂取を控えます。
4. 規則正しい生活
自律神経のバランスを保つため、十分な睡眠とストレス管理を心がけます。
5. 膀胱トレーニング
トイレに行く間隔を徐々に伸ばし、膀胱の容量を増やす練習をします。

注意点
1. 基礎疾患の確認
排尿障害が前立腺肥大、膀胱炎、脊髄損傷、糖尿病性神経障害などによる場合は、医師の診断を受け、併用治療を行ってください。
2. 重篤な症状の場合
排尿困難が急激に悪化する場合や血尿などの症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。
3. 専門的な施術を受ける
排尿障害に詳しい鍼灸師に相談し、個々の症状に合った治療計画を立てることが重要です。

 鍼灸治療は、排尿障害の原因にアプローチしつつ、症状の緩和を目指す補助療法として効果的です。ただし、原因となる疾患に応じた医療的治療を並行して行うことが必要です。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円