高次脳機能障害

　高次脳機能障害に対する鍼灸治療
高次脳機能障害とは、脳卒中（脳梗塞・脳出血）や頭部外傷などにより、記憶・注意・言語・認知・感情のコントロールなどの機能に障害が生じる状態です。鍼灸治療は、脳の血流を改善し、自律神経を整え、神経の回復を促すことで、機能回復をサポートします。

1. 鍼灸治療の目的
✅ 脳の血流を促進し、神経細胞の回復を助ける
✅ 自律神経を調整し、精神的な不安やストレスを緩和
✅ 言語や運動機能の回復をサポート
✅ 記憶力や注意力を改善し、脳の働きを活性化
✅ 睡眠の質を向上させ、脳の修復を促す

2. 高次脳機能障害に効果的な鍼灸のツボ
🟢 脳の血流を改善し、認知機能を向上させるツボ
📍 百会（ひゃくえ）（頭のてっぺん）
→ 脳の血流を改善し、記憶力・集中力を向上
📍 四神聡（ししんそう）（百会の周囲に4つあるツボ）
→ 脳の活性化を促し、意識や認知力をサポート
📍 風池（ふうち）（耳の後ろのくぼみ）
→ 脳の血行を促進し、めまい・頭痛を軽減
📍 太陽（たいよう）（こめかみ部分）
→ 精神的な緊張をほぐし、リラックス効果を高める
📍 内関（ないかん）（手首の内側）
→ 自律神経を整え、不安・イライラを軽減
🟢 記憶力・思考力を高めるツボ
📍 印堂（いんどう）（眉間）
→ 集中力を高め、精神を安定させる
📍 攅竹（さんちく）（眉の内側）
→ 目の疲れを和らげ、脳の働きを助ける
📍 合谷（ごうこく）（手の親指と人差し指の間）
→ 脳の血流を促し、意識の明晰さを向上
🟢 言語障害や運動機能障害の回復をサポートするツボ
📍 失語点（しつごてん）（耳の前あたり）
→ 言葉が出にくい症状に効果的
📍 頬車（きょうしゃ）（あごの付け根）
→ 発声や口の動きの改善をサポート
📍 陽陵泉（ようりょうせん）（膝の外側下）
→ 足の運動機能を改善し、歩行の回復をサポート
📍 足三里（あしさんり）（すねの外側）
→ 全身の気血の巡りを良くし、体力回復を促進

3. 鍼灸治療の頻度
• 急性期（発症から数週間～数ヶ月）：週2〜3回（脳の血流を改善し、早期回復を促す）
• 回復期（症状が安定してきた時期）：週1〜2回（神経の回復を助け、後遺症の改善を図る）
• 慢性期（後遺症が残っている場合）：週1回（症状の維持・改善を目的とする）

4. 併用すると良いリハビリ・生活習慣
🟢 脳トレ（読書・計算・パズル・会話など）を行う
🟢 軽い運動（ウォーキング・ストレッチ）を習慣化
🟢 バランスの良い食事を摂り、脳に必要な栄養を補給
🟢 十分な睡眠をとり、脳の修復を促す
🟢 リラックスできる時間を作り、ストレスを軽減

5. 注意点
⚠ 鍼灸治療は脳の損傷を直接治すわけではなく、症状の緩和や回復をサポートするもの
⚠ 脳卒中後の患者は、医師と相談しながら治療を進める
⚠ 高血圧や心臓病がある場合は、無理な刺激を避ける
⚠ リハビリと並行して行うことで、より効果が高まる

まとめ
　高次脳機能障害に対する鍼灸治療は、脳の血流を促進し、自律神経を整え、神経の回復を助けることで、記憶力や集中力の向上、言語障害や運動機能障害の改善をサポートします。リハビリや日常生活の改善と組み合わせることで、より良い回復が期待できます。

治療時間：一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料：　３，０００円
料金：一回鍼灸治療4,500円から9,000円