症例の紹介

症例の紹介

多汗症

多汗症

 

 多汗症は、手掌(手のひら)、足底、脇、顔などに過剰な発汗が見られる症状です。原因としては、交感神経の過活動やストレス、体質が挙げられます。鍼灸治療では、体内の気血のバランスを整え、発汗をコントロールすることを目指します。また、自律神経や心身の状態を調整することで、多汗症を改善します。

鍼灸治療の基本方針
1. 自律神経の調整
o 交感神経の過剰な活動を抑え、副交感神経を活性化します。
2. 気血の巡りを改善
o 全身の気血の流れを良くし、発汗を調整します。
3. ストレス軽減
o ストレスによる発汗を抑え、心身のリラックスを促します。
4. 全身の体質改善
o 体質に合わせた治療を行い、発汗の原因となる根本的な問題に対処します。

治療の流れ
1. カウンセリングと診断
• 問診
o 発汗の部位、タイミング(緊張時、睡眠中、運動時など)。
o ストレスの有無、体質(冷えやすいか、熱がこもるか)。
o 症状の経過や生活習慣。
• 東洋医学的診断
o 気虚型: 身体が疲れやすく、軽い動作でも発汗しやすい。
o 陰虚型: 手足がほてり、夜間に汗が出やすい。
o 肝熱型: イライラやストレスによる発汗。
o 湿熱型: 胸や背中、脇の下に湿っぽい汗が多い。

2. 鍼灸治療
(1) 全身調整のための基本的なツボ
全身の自律神経を整える:
• 百会(ひゃくえ): 自律神経を調整し、精神を安定させる。
• 神門(しんもん): ストレス軽減と心の安定。
• 足三里(あしさんり): 気力を補充し、全身の気血を整える。
• 三陰交(さんいんこう): ホルモンバランスを整え、血行を促進。
(2) 症状別のツボ
• 手掌多汗症(手のひらに汗):
o 合谷(ごうこく): 上半身の発汗を調整。
o 内関(ないかん): 心の不安や緊張を和らげる。
• 足底多汗症(足の裏に汗):
o 湧泉(ゆうせん): 足裏の気の巡りを改善。
o 太渓(たいけい): 腎の機能を整え、体の熱バランスを調整。
• 脇汗(腋窩多汗症):
o 天枢(てんすう): 汗の調節をサポート。
o 膻中(だんちゅう): 胸部の気を整える。
• 顔汗(顔面多汗症):
o 迎香(げいこう): 鼻や顔の気血を改善。
o 攅竹(さんちく): 顔面の熱を鎮める。
(3) 局所治療
• 発汗が目立つ部位の経絡に沿って軽い鍼刺激やお灸を行います。
• 患部への直接刺激は避け、周囲のツボを中心に施術。
(4) 温灸の併用
• 冷えが原因の場合: 温灸を用いて冷えを改善。
o 適用ツボ: 中脘(ちゅうかん)、命門(めいもん)。
• 熱感が強い場合: 温灸は控え、軽めの鍼を用いる。

3. アフターケアと生活指導
ストレス管理
• 深呼吸やリラクゼーション、瞑想を取り入れてストレスを軽減する。
食事指導
• 推奨食品: 緑黄色野菜、豆類、ハーブティー(カモミール、ミント)。
• 避ける食品: 辛いもの、カフェイン、アルコール、脂っこいもの。
冷暖調整
• 発汗しやすい部位を乾燥させる工夫(吸湿性の高い衣服やパウダーの使用)。
適度な運動
• 軽い運動で自律神経を整える。ウォーキングやストレッチが効果的。
睡眠改善
• 質の良い睡眠を確保し、身体の緊張を緩和する。

期待される効果
1. 発汗量の減少と発汗タイミングの正常化。
2. 手足の冷えやほてりの改善。
3. ストレス緩和による精神的安定。
4. 日常生活での不快感の軽減。

注意点
1. 即効性よりも継続的な治療が必要
 多汗症は慢性的な症状が多いため、根本的な改善には時間がかかることがあります。
2. 西洋医学との併用
 重症の場合、ボトックス注射や手術などの西洋医学的治療と併用することも選択肢の一つです。
3. 専門的な鍼灸師の治療を受ける
 多汗症に詳しい鍼灸師を選ぶことで、より効果的な治療が期待できます。

 鍼灸治療は多汗症の根本原因にアプローチし、自然治癒力を高める安全な療法です。症状に応じた適切な治療を受けることで、発汗の悩みを軽減することが可能です。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円