症例の紹介

症例の紹介

クロ―ン病

クロ―ン病

 

 クローン病は、主に消化管に慢性的な炎症が生じる原因不明の疾患で、腹痛や下痢、体重減少、栄養障害などの症状がみられます。東洋医学では「脾胃虚弱」「湿熱」「気滞血瘀」などが関与していると考えられ、鍼灸治療は症状緩和と全身の調整を目的としています。


1. 主な治療の目標
• 消化器の機能を整え、炎症を緩和する。
• 腸内の血流を促進し、気滞や血瘀を改善する。
• 免疫機能の調整とストレス緩和を行う。
• 症状を軽減し、生活の質を向上させる。

2. 主な経穴(ツボ)
消化器機能を強化するツボ
• 足三里(あしさんり):脾胃を補い、消化吸収を促進。
• 中脘(ちゅうかん):胃の機能を整え、消化不良や腹痛を改善。
• 関元(かんげん):エネルギーを補い、腸の働きを強化。
• 天枢(てんすう):大腸の働きを調整し、下痢を改善。
炎症を緩和し、血流を促進するツボ
• 三陰交(さんいんこう):肝・脾・腎の調整を行い、全身の血流を改善。
• 陰陵泉(いんりょうせん):水分代謝を助け、体内の余分な湿熱を取り除く。
• 気海(きかい):気を補い、全身のエネルギーを整える。
ストレスや自律神経を整えるツボ
• 太衝(たいしょう):肝の気を巡らせ、ストレスを緩和。
• 神門(しんもん):自律神経を整え、リラクゼーションを促す。
• 百会(ひゃくえ):全身の気血を調整し、精神的安定を図る。

3. 鍼治療の方法
• 補法:
o 気血を補い、消化器系の機能を強化するツボに軽い刺激を加える。
• 瀉法:
o 炎症が強い場合、湿熱や血瘀を改善するためのツボに適切な刺激を与える。
• 全身の調整:
o 消化器系に直接関係のない遠隔部のツボも活用し、全身の気血を調整。

4. 灸治療
• 温灸:
o 足三里、中脘、関元に温灸を行い、脾胃を温めて機能を強化。
• 隔物灸:
o 生姜や塩を使用して、腹部や腰部を温め、炎症や冷えを和らげる。
• 温熱療法:
o 腸周辺の血流を改善し、冷えが関与する症状を緩和。

5. 補助的な療法
• 腹式呼吸:
o 腹部の緊張を緩和し、腸の動きを促進。
• 腹部マッサージ:
o 軽いマッサージで腸内の気滞を解消。
• 食事指導:
o 消化に優しく、栄養価が高い食品を選ぶ。


6. 日常生活のアドバイス
• 食事の工夫:
o 消化しやすい食品(柔らかい野菜、白身魚、温かいスープなど)を摂取。
o 刺激の強い食品(香辛料、アルコール、脂肪分の多い食品)は控える。
o 小分けで頻回に食事を摂り、胃腸の負担を減らす。
• ストレス管理:
o 深呼吸や瞑想など、リラックスできる活動を取り入れる。
o 十分な睡眠を確保し、体の回復を促す。
• 適度な運動:
o 血流を促進するための軽い運動(ウォーキング、ヨガなど)を行う。

7. 注意事項
• クローン病は慢性疾患であり、根本治療を目指すことは難しい場合がありますが、鍼灸治療は症状の緩和と生活の質の向上に役立つことがあります。
• **急性期(炎症が強く症状が重い場合)**や体調が悪化した際は、必ず医師の診察を受けてください。
• 鍼灸治療は西洋医学的治療(薬物療法や手術療法)と併用することで、より良い効果が期待できます。
• 施術は個々の症状や体質に合わせて調整するため、専門の鍼灸師に相談することをお勧めします。

 症状や体質について具体的にお知らせいただければ、より個別化された治療プランをご提案することも可能です。お気軽にお知らせください!

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金:一回鍼灸治療4,500円から9,000円