症例の紹介

症例の紹介

遺伝性難聴

遺伝性難聴

 

 遺伝性難聴は、遺伝的な要因によって引き起こされる聴力の低下です。このタイプの難聴は、生まれつきあるいは思春期に発症することが多く、遺伝的な異常によって内耳の聴覚細胞や聴神経が正常に機能しないことが原因です。遺伝性難聴は、遺伝子の異常に起因するため、完全に治癒することは難しい場合が多いですが、鍼灸治療は聴力の維持や症状の軽減、生活の質の向上に役立つ補助療法として有効です。

1. 治療の目的
• 血行促進と内耳や聴神経の機能のサポート
• 聴覚中枢や耳周辺の血液循環を改善
• 自律神経や免疫系を調整
• 身体全体のエネルギー(気血)のバランスを整える
• 耳鳴りや聴力低下の進行を遅らせる

2. 主なツボの選択
a. 耳周辺のツボ
• 聴宮(ちょうきゅう): 耳の前、耳の機能を直接改善するツボ。聴力の回復や耳鳴りの軽減に効果があります。
• 耳尖(じせん): 耳の先端、内耳や聴神経の働きをサポートし、耳の機能を活性化します。
• 翳風(えいふう): 耳の後ろ、耳の血流を促進し、耳鳴りや聴力の問題に効果があります。
b. 内耳や聴覚中枢をサポートするツボ
• 百会(ひゃくえ): 頭頂部、脳の血流を改善し、聴覚中枢の活性化に寄与します。
• 合谷(ごうこく): 手の甲、全身の気血を調整し、耳のエネルギーを補います。自律神経のバランスを整える効果もあります。
c. 自律神経の調整と血行促進のためのツボ
• 天柱(てんちゅう): 首の後ろ、肩や首の緊張を緩和し、血液循環を改善します。内耳や聴覚器官の機能にも影響を与えます。
• 肩井(けんせい): 肩、首の緊張を解消し、全身のエネルギーを整えるツボです。耳周辺の筋肉や血流の改善に有効です。
d. 全身の気血を調整するツボ
• 足三里(あしさんり): 膝下、全身の気血を強化し、耳への血流を促進します。エネルギーの流れを整える効果があります。
• 肝兪(かんゆ): 背中、肝臓の機能を整え、血行を改善します。肝血の不足を補い、耳への栄養供給を改善します。

3. 治療の流れ
1. 問診と評価
o 遺伝性難聴の症状や発症時期を確認し、聴力の状態や耳鳴りの有無を把握します。患者の体調や生活習慣も評価します。
2. 鍼治療
o 内耳や聴神経、耳周辺の血流を改善するために、耳周辺や百会、合谷、足三里などのツボに鍼を施します。鍼治療は穏やかに行い、全身のエネルギーの流れを整え、聴力のサポートを行います。
3. 灸治療(必要に応じて)
o 足三里や百会などにお灸を施し、気血を補い、エネルギーの流れを整えます。冷えが強い場合や気力が不足している場合には、温灸を使用して体温を上げ、血行を促進します。
4. リラクゼーションとセルフケア指導
o 精神的なストレスや身体的な緊張を解消するために、リラックス法や深呼吸を指導します。耳への負担を減らす生活習慣やストレス管理もアドバイスします。
5. 生活指導
o 騒音を避ける方法、耳の保護、睡眠の質を高める方法を指導します。精神的なストレスや身体的な過労を避けることが重要です。

4. 注意点
• 遺伝性難聴は根本的な治療が難しいため、鍼灸治療は聴力の維持や症状の進行を遅らせる補助的な治療法です。
• 鍼灸治療は、遺伝性難聴の症状の緩和や耳周辺の血行促進に有効ですが、聴力の回復には限界があるため、早期に医師による診断と治療を受けることが重要です。
• 鍼灸は定期的に行うことで、効果を実感しやすくなることがあります。

5. 期待できる効果
• 聴力の維持と安定
• 耳鳴りや耳の不快感の軽減
• 内耳や聴神経の血行促進による機能改善
• ストレスや疲労の軽減
• 自律神経のバランス調整による体調改善

 遺伝性難聴は、遺伝的要因に基づく難聴であるため、完全な治療が難しい場合が多いですが、鍼灸治療を通じて耳周辺の血行改善やエネルギーのバランスを整えることにより、症状の進行を遅らせたり、聴力の維持に役立つ可能性があります。医療機関での適切な治療と合わせて、鍼灸治療を行うことで、生活の質を向上させることが期待できます。

 

治療時間:一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金: 一回鍼灸治療4,500円から9,000円