
リンパ管炎
リンパ管炎
リンパ管炎(リンパ管の炎症)は、細菌感染が原因であることが多く、早期に適切な医療処置が必要です。発熱や痛み、赤い線状の皮膚変化が見られる場合には、まずは医師の診断と抗生物質治療が優先されます。鍼灸治療は、医療処置を補助する形で行うことが望ましく、炎症が治まった後の回復促進や予防のために役立ちます。以下は、リンパ管炎に関連する鍼灸治療の基本的な考え方と施術方法です。
1. 炎症が急性期の場合
鍼灸の役割
• 炎症が強い急性期には、直接的な施術は控えます。
• 炎症や感染が落ち着くまで、患部への刺激を避け、全身の免疫力を高める施術を中心に行います。
主な施術ポイント
• 免疫調整のツボ
o 合谷(ごうこく): 免疫調整や炎症の軽減をサポートします。
o 足三里(あしさんり): 自然治癒力の向上を目指します。
o 曲池(きょくち): 抗炎症作用を期待できるツボです。
• 自律神経を整えるツボ
o 神門(しんもん): ストレスや緊張を緩和し、全身のバランスを整えます。
o 内関(ないかん): 心身の調和を促進します。
2. 回復期・慢性期の場合
鍼治療
炎症が収まり、皮膚やリンパ管が回復する段階では、リンパの流れを改善することを目的とした施術が行えます。
• リンパの流れを促進するツボ
o 三陰交(さんいんこう): 血液やリンパの循環を改善します。
o 陰陵泉(いんりょうせん): 下肢のむくみやリンパの滞りに有効です。
o 天枢(てんすう): 腹部の循環を促進します。
• 局所の緊張を緩和するツボ
o 炎症の影響で緊張した筋肉や周囲の組織を緩める施術を行います。ただし、患部への直接的な刺激は避けます。
灸治療
温灸を用いて、循環改善や免疫調整を目的とします。
• 温灸を遠位(患部から離れた)ツボや循環を改善するツボに施します。
• 患部に近い部位では間接灸や軽い温熱刺激を使用します。
3. 体全体の調整
リンパ管炎は全身の免疫状態や循環と関係が深いため、以下のような施術も加えます。
• 体質改善
o 腎兪(じんゆ)、脾兪(ひゆ)など、免疫力を底上げするツボを刺激。
• 消化機能の改善
o 中脘(ちゅうかん)、関元(かんげん)など、消化機能やエネルギー代謝をサポートするツボを使用。
注意点
1. 感染が疑われる場合、必ず医療機関を受診してください。鍼灸は感染症の治療手段にはなりません。
2. 患部への直接的な刺激は避ける
急性期や炎症部位への施術は逆効果となる場合があります。
3. 症状の進行を観察
赤み、熱感、痛みが増加する場合は速やかに医師に相談してください。
補助的なケア
• 生活習慣の見直し
免疫力を高めるために、栄養バランスのとれた食事や十分な休養を心がけましょう。
• リンパドレナージュ(手技療法)
鍼灸と併用することで、リンパの循環をさらに促進することができます。
鍼灸治療は、リンパ管炎の直接的な治療ではなく、回復促進や予防を目的として行うことが基本です。信頼できる鍼灸師と相談しながら進めていきましょう。
治療時間: 一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料: 3,000円
料金: 一回鍼灸治療4,500円から9,000円