子宮筋腫

　子宮筋腫に対する鍼灸治療は、直接筋腫を小さくすることはできませんが、筋腫に伴う症状（過多月経、生理痛、下腹部の重さや痛み、不妊、貧血など）の緩和や体質改善に役立ちます。鍼灸は、血流改善やホルモンバランスの調整を通じて、全身の健康をサポートします。

鍼灸治療の基本方針
1. 瘀血の改善
子宮筋腫の原因とされる瘀血（血流の滞り）を解消し、骨盤内の血流を促進。
2. ホルモンバランスの調整
内分泌系や自律神経の働きを整え、過剰なエストロゲン作用を抑える。
3. 痛みや不快症状の緩和
生理痛、腰痛、下腹部の不快感などを軽減。
4. 全身の調整
冷え性や虚弱体質を改善し、身体全体のバランスを整える。

よく使用される経穴（ツボ）
1. 瘀血改善と血流促進
• 関元（かんげん）: おへその下4寸。子宮周辺の血流を改善。
• 中極（ちゅうきょく）: おへその下5寸。骨盤内臓器の機能を活性化。
• 地機（ちき）: 脚の内側、膝下から手のひら一枚分下。血液の滞りを改善。
• 血海（けっかい）: 膝の内側、膝蓋骨の上2寸。血行を促進し、瘀血を取り除く。
2. ホルモンバランスの調整
• 三陰交（さんいんこう）: 内くるぶしの上3寸。婦人科系疾患の万能ツボ。
• 腎兪（じんゆ）: 腰部、背骨の両側。生殖機能やホルモンバランスをサポート。
• 太衝（たいしょう）: 足の甲、親指と人差し指の間。ストレスや気の滞りを解消。
3. 冷え性や体質改善
• 足三里（あしさんり）: 膝下3寸。全身の血流を促進し、冷えを改善。
• 命門（めいもん）: 腰部の中心部。生命エネルギーを高め、冷えや疲れを改善。
4. 痛みや症状緩和
• 神門（しんもん）: 手首の内側。リラックス効果があり、痛みを緩和。
• 大巨（だいきょ）: 下腹部、腸骨付近。月経痛や下腹部の張りを軽減。

施術の流れ
1. 問診
症状（痛み、月経量の異常、不快感など）や生活習慣、体質を詳しく確認。
2. 体質診断
瘀血体質、冷え性、気虚、ストレスなどの状態を評価。
3. 鍼灸施術
個々の症状や体質に応じたツボを選び、鍼やお灸を用いて治療。
4. アフターケア
自宅でのお灸や生活指導（食事、運動、冷え対策）を提案。

施術の頻度
• 初期段階: 週1～2回の治療を継続し、症状の改善を図る。
• 症状安定後: 2～4週間に1回のペースで体調を維持。

セルフケアの提案
1. お灸
　三陰交、関元、血海などに自宅でお灸を行うことで血流を促進。
2. 適度な運動
　骨盤周りの血流を改善するため、ヨガやウォーキングを取り入れる。
3. 温活
　下腹部や腰を温めることで冷えを防ぎ、血流を良くする。

注意点
• 医師との連携
　子宮筋腫の大きさや進行度を把握するため、定期的に医師の診断を受けましょう。筋腫が大きい場合や症状が重い場合は、手術などの医療的処置が必要な場合があります。
• 妊娠希望の場合の治療
　刺激を抑えた治療を行い、着床や妊娠に支障が出ないよう配慮します。
鍼灸治療は身体全体のバランスを整えながら症状を緩和するアプローチです。具体的な症状やご希望があれば、さらに詳細なアドバイスをお伝えできます！

治療時間：一回鍼灸治療時間は30分から60分
初診料：　３，０００円
料金：一回鍼灸治療4,500円から9,000円